岡山理科大学 長尾研究室では、素粒子論・素粒子論的宇宙論を研究しています
2025.03.31 National Chin-Yi University of Technologyにて長尾がセミナーを行いました。
2025.03.24 東京大学で行われた「宇宙線空気シャワー観測によるマルチメッセンジャー天文学の推進」研究会で2名が講演、うち1名が学生優秀発表賞受賞。
2025.03.20 卒業式が行われ、学部生1名が研究奨励賞を受賞しました。
2025.03.18 安達さんのセミナーがありました。
2025.03.18 日本物理学会春季大会で長尾が発表しました。
2025.02.10 卒業研究発表会が開催され、4年生が発表を行いました。
2025.02.04 N体シミュレーション立春の学校に4年生が参加しました。
2025.01.29 名古屋大学で行われたKMIセミナーにて長尾が講演を行いました。
2024.11.30 卒業研究中間発表会で4年生が発表しました。
2024.11.25 岡山プラザホテルで行われた研究シーズ発表会OUSフォーラム2024にて、修士1年生1名、4年生1名がポスター発表を行いました。
2024.11.21 新潟大学のセミナーで長尾が講演しました。
2024.11.20 研究室遠足で香川に行きました。
2024.11.17 「おもしろ実験研究所」連載200回達成記念祝賀会にて長尾が司会を務めました。
2024.11.05 田窪さんのセミナーがありました。
2024.10.30 柳生さんのセミナーがありました。
2024.10.29 柳生さんの一般向け講演がありました。
2024.10.24 京都大学で行われたCOSMO2024にて長尾が講演を行いました。
2024.08.19 京都大学基礎物理学研究所で開催された研究会「素粒子物理学の進展2024」で長尾が招待講演を行いました。
2024.08.09 わくわくサイエンスフェスティバルが岡山高島屋で開催されました。長尾研究室からもM1の田村くんがボランティアとして参加し、電子工作などを子どもたちに教えていました。
2024.07.28 徳島大学で開催された応用物理・物理系 中国四国支部 合同学術講演会にて修士1年生1名、4年生2名が講演を行いました。
2024.07.10 ベトナムで開催された国際会議PASCOS2024で長尾が講演を行いました。
2024.07.06 大阪大学で開催された研究会 学術変革「地下稀事象」領域研究会で長尾が招待講演を行いました。
2024.06.27 倉敷で開催された研究会Workshop on Inelastic Nuclear Scattering for Dark Matter Detectionで長尾が講演、研究室の学生が運営・参加しました。
高校生向けの出張講義も無料で受け付けています。
身の回りの物質を小さく分解していくと、それ以上小さく分解できない、物質の最小単位にたどり着くと考えられています。物質の最小単位の粒子を素粒子と呼びます。これまでに多くの素粒子が発見されていますが、素粒子についてはまだ説明できない謎が多く残っています。身の回りの物質だけでなく、宇宙に存在している物質はすべて素粒子からできていると考えられるので、宇宙の研究は素粒子と非常に深く関わっています。宇宙が誕生して現在の姿に成長するまでに、素粒子が大きな役割を果たしたできごとがたくさんあると考えられています。
宇宙に存在する物質の約5分の4は、これまでに発見されている素粒子だけでは説明することができません。この謎の物質は、暗黒物質と呼ばれています。暗黒物質の存在は、天体の運動や重力レンズ効果など、様々な観測から明らかになってきました。暗黒物質は、未発見の素粒子からできているのではないかと考えられていますが、まだ実験ではっきり見つけられたことはありません。本研究室では、暗黒物質と考えられる素粒子の性質や、それを実験で調べる方法について理論的に研究しています。
暗黒物質を始めとする未発見の素粒子や、性質がよくわかっていない素粒子を調べるためには、実験が必要です。粒子を非常に速く加速すると、高いエネルギーをもつ状態になります。高速の粒子を作り出す装置は加速器と呼ばれます。日本では、岡山県出身の仁科芳雄博士が主導して作成したサイクロトロン加速器から始まり、現在は茨城県の高エネルギー加速器研究機構や兵庫県のSPring-8などに大型の加速器があります。加速器で作った高いエネルギーをもつ粒子を別の粒子にぶつけると、新しい粒子が発見できたり、粒子の詳しい性質がわかったりします。1994年にトップクォーク、2000年にタウニュートリノ、2012年にヒッグス粒子といった新しい素粒子が発見されました。
右巻きニュートリノの必要性と、その周辺の現象論 / Importance of right-handed neutrino and related phenomenology
(概要)本講演ではまず、νMSMと呼ばれる模型の説明をする。
この模型は、素粒子標準模型と呼ばれるこれまでのほとんどすべての実験と無矛盾な模型に、電弱スケールよりも軽い右巻きニュートリノを導入した、非常に単純な模型である。
この単純な模型で、素粒子標準模型では解決することができない現象論的諸問題のうちいくつかを解決することができることを説明する。
これらの解決を議論する際に、模型を特徴づけるパラメータを紹介する。
また、模型の予言として、ニュートリノがマヨラナ粒子として存在するため、ニュートリノの放出を伴わない二重ベータ(0νββ)崩壊の観測が期待される。
ところが、右巻きニュートリノの寄与により、0νββ崩壊が起こらない場合があることを示す。
そうした状況下において、如何に右巻きニュートリノを検証するかということを議論する。
最後に、最近得た予言として、逆二重ベータ崩壊への寄与について示す。
2025.05.26 13:15 - 14:45 A1号館1階プレゼンテーションルーム
磁気単極子、ダイオンとグラディエントフロー / Magnetic monopole, dyon and gradient flow
(概要)ゲージ理論では自明な真空以外に非自明な真空が存在することが知られています。これらの真空は解の形、つまり無限遠方の境界条件によって分類でき、異なる形の真空はお互いに移り合わないことが知られています。このような非自明な真空の代表例として挙げられるのが磁気単極子です。本セミナーでは静的な場合に磁気単極子が生じうること・CP対称性の破れが存在する場合にWitten効果により磁気単極子が電荷をもつダイオンに変化すること等について触れた後、これらの数値解を求めるための一つの方法としてグラディエントフローを紹介します。
2025.03.18 12:15 - 13:45 A1号館会議室A
FASER実験とEBES実験で切り拓くMeV-GeV領域の軽い新粒子探索 / Search for new particles in MeV to GeV mass range at FASER and EBES experiment
(概要)素粒子の「標準模型」は、これまでに発見されたすべての素粒子を予言し、あらゆる実験結果を矛盾なく説明するという大きな成功を収めてきた。
しかし、宇宙観測によれば、標準模型の素粒子が宇宙全体のエネルギーに占める割合はわずか5%に過ぎない。
残りの27%は未知の素粒子である「暗黒物質」、さらに残りの68%は「暗黒エネルギー」とされている。
つまり、暗黒物質を理解しなければ、宇宙の本質に迫ることはできない。
近年、既存の粒子加速器のエネルギーでも探索可能な比較的軽い質量領域に、
未知の素粒子(暗黒物質、媒介粒子、新たな荷電粒子)が属する「暗黒セクター」が存在すると考える理論が注目を集めている。
FASER実験とEBES実験は、暗黒セクターに属する未知の素粒子を探索するための実験である。
本講演では、これらの実験の概要と、最新の研究成果について紹介する。
2024.11.05 13:30 - 14:30 A1号館414
ヒッグス物理を用いた第5の力の探索 / Exploring the Fifth Force through Higgs Physics
(概要)自然界には重力、電磁気力、弱い力、強い力の4種類の基本的な力が存在することが知られていますが、
第5の新たな力が存在するかどうかは興味深い謎として残されています。
実際に、素粒子の標準理論を超える新物理では、さまざまな物理的動機から導入される新たなゲージ対称性
から第5の力が現れるため、その検証は新物理の探求において極めて重要となります。
本講演では、ヒッグスセクターの物理が、自発的に破れたU(1)ゲージ対称性を持つ新物理の検証において
重要な役割を果たすことを示します。
2024.10.30 13:30 - 14:30 A1号館414
素粒子物理学の最前線 〜ミクロの究極から宇宙の謎へ〜 / Frontiers of Particle Physics: From the Ultimate Microworld to the Mysteries of the Universe
(概要)私たちの身の回りにある様々なものを、究極的に細かく分解するとどうなるのか?
この問いに答えるのが素粒子物理学です。
宇宙の大きさは観測可能な範囲で直径約930億光年にも及ぶ、想像を超える広さです。
この広大な宇宙がどう始まり、今の姿になったのか?
実は、この問いに答えるのも素粒子物理学です。
本講義では、最先端の研究成果がミクロの究極と宇宙の謎を
どこまで解明しているのかを分かりやすくお伝えしたいと思います。
2024.10.29 15:00 - 16:00 A1号館1階 プレゼンテーションルーム
電子質量の時間変化と宇宙論パラメータ / Varying electron mass model and cosmological parameters
(概要)宇宙論の標準模型であるΛCDMモデルは、現在いくつかの課題に直面しています。
その中でも特に重要な観測上の問題の一つは、遠方観測と近傍観測によるハッブル定数の不一致、いわゆる「ハッブルテンション」です。
この問題を解決するために、ΛCDMモデルを超える新しい物理が提案されており、その一つが電子質量の時間変化を考慮するモデルです。
本セミナーでは、電子質量の変化が宇宙論パラメータに与える影響について詳しく議論します。
こうした影響は、宇宙背景放射(CMB)やバリオン音響振動(BAO)などの観測データを通じて検証されます。
また、最近の解析結果から、CMBの時代における電子の質量が現在よりも大きかった可能性が支持されている点についても触れる予定です。
2024.10.08 13:15 - 14:15 A1号館414
量子論的粒子の波束効果は見えるのか?/Can we observe wave-packet effects of quantum particles?
(概要)量子論的な粒子のプロファイルを平面波的な波として議論する際には、この波が直接は見えないヒルベルト空間におけるものであることに
起因する理解上の難しさがあり、こちらは皆様よくご存知だと思います。更に、平面波に関しては、
関連する量子遷移の確率の "平均的な" 振る舞いしか知ることが出来ないという制限があります。
この制限は、平面波が規格化不可能な状態である性質に起因します。この技術的制限は、対応する粒子のエネルギーが局在化している状態(波束)を
考えれば原理的に解決することは昔から知られていました。しかし一方で、果たしてこの波束記述による "平均的な振る舞いを超えた" 振る舞いは、
実際に観測可能なのでしょうか?
本公演では、波束による記述が、長年謎とされてきたある種の重たいベクトル・メソンの崩壊過程における、
実験値と平面波による理論値との大きな不一致を、説明しうるという我々の最近の研究に関して、
関係する量子力学の背景知識のレビューも含めながら、一からお話したいと思います。
2024.7.25 13:15 - 15:30 50周年記念館3F会議室
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