研究内容紹介

 

 ESR(電子スピン共鳴)年代測定、特にその実験的基礎研究を進めて現在に至っている。
 ESR年代測定は、自然放射線によって鉱物中に生成し、時間の経過とともに蓄積される常磁性格子欠陥、あるいはラジカルをESR(電子スピン共鳴)によって検出することによって行われる。多くの場合、自然放射線による信号の生成効率を求めるために、人為γ線照射を行い、信号の増大を信号強度0の点まで外挿して総被曝線量を求める。さらに実際の測定又は地層中の放射性元素(U,Th,K)の濃度から年間線量率を求め、総被曝線量をこの値で割って年代を算出する。これまでに、アラゴナイト、カルサイト、ヒドロキシアタイト、ジプサム、石英がESR年代測定に適当な鉱物であることがわかっており、主に第四紀の試料に適用されてきた。ESR年代測定における重要な仮定は、自然放射線による信号の増大が人為γ線照射で模擬されていること、また、地層中で信号の減衰が起こっていないことである。後者の仮定が成り立つために、ESR年代測定は第四紀の試料に限られると考えられている。私は、ESR年代測定の基礎研究として、特に上記に述べた仮定の試料による適当性を調べるために、石英中の常磁性格子欠陥の生成及び消滅の性質の研究を進めてきた。これまでの研究の成果は、以下のようにまとめことができる。 

 

(1)E'1中心の生成と消滅

(2)酸素空格子の生成と消滅

(3)石器の加熱温度の推定

(4)第四紀のテフラの年代測定

(5)歯のエナメルを用いた被曝線量の測定法の改良

(6)E1'中心を用いた年代測定の問題点

(7)その他

 


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